脳のダメージや変形

脳サヴァン症候群になるひとの多くは脳に知的障害があり、日常的な動作すらできないことが多く、また、先天的に脳に変形をもって生まれた場合などは幼少期からサヴァン症候群の兆候が現れる場合があります。
また、途中までは自閉症以外に特別な能力が見られなかった人が、てんかんを起こした、事故で脳にダメージを負ったなどの突発的な理由をきっかけに特異な能力が見られるようになった、などの事象も報告されています。

自閉症+てんかん

自閉症を持つ人の10%はサヴァン症候群の可能性があると言われますが、数学的な特殊能力をダニエル・タメットもその一人です。
ダニエルは幼いころから自閉症の傾向がありましたが、4際の時に突然てんかんをおこして倒れ、一時は心肺停止で医師による心肺蘇生が必要になるほどの、まさに生死の境をさまよう状態となりました。その時の診断は〝側頭葉てんかん〟というもの。
〝側頭葉〟は耳の上に位置し、聴覚・記憶・知覚にかかわる重要な脳の一部分で、ここに発作が起きると、記憶や認識力にダメージが残ると言われています。その発作以降、見るものすべてが数字に見え始めたといい、5才くらいからずっと数字を追うようになり、全ての物事を数字におきかえてイメージするようになったと言われています。





重度の自閉症

お絵かき景色を一瞬で記憶し描画する能力を持つスティーブンは幼少期に小児自閉症と診断され、唯一なついていた最愛の父が事故で他界して以降、わずかに発していた言葉さえ失ってしまい一切言葉を発さなかったと記録されています。
4才で擁護施設に預けられましたが、そこでも言葉を全く理解せず、何かに我慢ができなくなると大きな声をあげて叫んだりと、重度の自閉症特有の症状が強く、孤立していました。
しかし、擁護学校の校長がある時、紙と鉛筆を与えたのをきっかけに、スティーブンは興味をしめし、夢中になって何時間でも絵を描くようになり、その特殊な能力が明らかになりました。6才になったある日〝紙がほしい〟と初めて言葉を発し、他人とコミュニケーションをとれるように出来るようになったことから、絵を描くという才能が、彼にコミュニケーションするきっかけを与え、外の世界とのつながりをもたらしたと考えられています。

先天性の脳の変形

映画〝レインマン〟のモデルとなったキム・ピークは、生まれたとき普通の子供より30%も頭が大きく、後頭部には野球ボールほどのコブがあったという記録がのこっています。
当時、医者はコブが脳の一部ではないかと考えたため、手術をしませんでした。コブは時間とともに小さくなり完全に消えたように見えましたが、コブが脳の内側に入って運動の一部を司る小脳の一部を破壊していることが判明しました。
そのため、深刻な運動障害が起き、医師は〝14歳までしかいきられないだろう〟また〝学習する能力はおそらく一生期待できない〟という言葉を父親に伝えたとされますが、父親はそのあともキムの面倒をみ続け、その父親との生活のなかで驚異的な記憶力などの能力を見せるようになったと言われています。