膨大な数字を暗記、計算する能力

numberサヴァン症候群の人にみられる特殊な能力のなかで、現れる能力の一つが〝計算能力〟や〝数字の羅列の記憶〟といった数字に関するものです。
サヴァン症候群によって数に対する特殊な能力を持つイギリス人として知られるのがダニエル・タメットという男性で、この男性は幼少期から自閉症を患っていましたが、ある日激しいてんかんを起こしてから、数字に対して特殊な能力を発揮するようになっていったと言われています。

膨大な桁数の数列を暗記できる

このダニエル・タメットは、答えが数十桁以上になる複雑な掛け算や割り算の答えを瞬時に答えられるだけでなく、円周率などのアトランダムな数字の羅列を2万桁以上覚えられるなどの能力があることがわかっています。
彼は自閉症協会への寄付金を集めるために、記憶力のコンテストに出演し、5時間以上にわたって円周率を小数点以下22,514桁まで読み上げることに成功しています。
また、数学だけでなく、語学にも優れ、世界で最も難しいといわれるアイスランド語などを含め11か国語以上を話すことができます。





数字を風景としてとらえる能力

ダニエル・タメットはそれぞれの数字を〝色や形、質感、風景〟などに置き換えており、それによって普通の人と異なるシステムで計算、記憶することが分かっています。
ダニエル・タメットによると、10,000までのそれぞれの数字には固有の形とイメージがあるんだそう。例えば〝数字の2は右から左へのイメージ。揺れているような感じ〟〝6はとてもなめらかで何かが足りないような穴、欠けているもの、ブラックホールのような感じ〟など、すべての数字をイメージとしてとらえます。
数字が合わさる場合、例えば2+6という時には脳内では8の景色が浮かぶという具合で、計算とは彼にとって景色の変化ということになるわけです。逆に、目に見える人物や物もすべて数字のイメージに置き換えて認識するといい、孤独、悲しい、などの感情に共感するためには6のイメージを思い浮かべることで理解できる、といいます。

感覚が混ざり合う〝共感覚〟

ダニエル・タメットの数字に対する特殊な感覚は〝共感覚〟というもの。通常の脳は、味覚や聴覚などを感じると、それぞれ専門のパーツに分かれ、ものを食べれば味覚の部分が反応し、音を聞けば聴覚の部分が反応するようにできています。しかし、〝共感覚〟を持つ人は一つの刺激で脳の複数のパーツが反応し、それによって音に匂いがしたり、形が聞こえたりすると言われています。

カレンダーの曜日を記憶する能力

カレンダーサヴァン症候群の特殊能力の一つが、指定した日の曜日をすぐに言える、という能力。レインマンのモデルになったサヴァン症候群のキム・ピークがそのひとりで、彼はある人の誕生日を見て、その人が生まれた日が何曜日だったかをすぐに言うことができます。近い将来や過去の曜日だけでなく、今のカレンダー(グレゴリオ暦:世界各国で使われている暦1年を365日とし4年ごとにうるう年がある)より前の年の情報も即座に言うことができるので、彼の脳内では膨大な情報が正確にストックされているだけでなく、特定の情報を即座に取り出すという特殊な能力があると言えます。